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名曲喫茶とビョーク [お気に入り]

  前回、「中学生時代は夜が楽しくてしようがなかった」と書きましたが、夜、というか「暗闇」は、いまだに好きです。仕事のある平日も、帰宅するといったん寝た後、深夜にムクムクと起き出し、暗い部屋でパソコンを見たり、ボーっとしたり。とても落ち着く時間帯なのです。当ブログも大抵、深夜に電気を消して書いちょります(薄気味悪くてスミマセン…)。体質なのか、あるいはネクラなのか…。

 そんな私が暗闇の魅力を感じられる店に、東京・中野の名曲喫茶「クラシック」がありました。ファンの多かった店なので、東京の方はけっこうご存知かと思います。1週間も居続ければ確実に視力が落ちるであろう?薄暗い店内、壁一面にいくつも掛けられた、止まったままの古時計、大地震の後みたく傾いた床やテーブル…。1930年(昭和5年)から70年以上にわたり、店のありようを変えずに営業してきたというのですから、大したもの。

 上京して初めて住んだのが中野だったこともあり、この店にはよく通いました。コーヒーが特別おいしいわけではなく、暗くて本は読めず、曲をリクエストするわけでもないのですが、「眠らない街」東京で最も暗闇を感じられ、自宅以上にリラックスできる空間でした。

 「でした」と過去形なのは、「クラシック」は残念ながら3年前に閉店したのです。中野では昨年、丸井本店が閉店しました。思い出の場所がなくなっていくのは寂しいものです。幸い、「クラシック」はオーナーの友人の方が引き継ぎ、隣の高円寺で「ルネッサンス」と名を変えて昨年秋に再オープンしたそうなので、ぜひ今度行って見たいと思います。

 そして、できれば店で私の一番好きな曲をかけてもらえたら、というのがささやかな願いです。その曲とは、ビョークの「ハイパーバラッド」。この曲にはテクノっぽいものなど、複数のバージョンがありますが、アルバム「テレグラム」に収録されたストリングスのバージョンが最も好きです。

(ビォーク「テレグラム」)

 いかにもビョークらしい、ジャンル分けや説明のしにくい曲ですが、私にとっては鳥の啼き声だけが聞こえる夜の森に、1人ぽつんとたたずんでいる感じ。この曲ほど哀しく、切なく、寂しい曲は、ちょっと他に知りません。歌詞とは全く関係ない、勝手なイメージですが。弦楽器の体の芯まで響く音色も、ビョークの情感にあふれた切ない歌声も素晴らしいの一言。もし他のアーティストで似たような雰囲気の曲があれば、ぜひ教えていただければ幸いです。

 「クラシック」は、アナログ盤しかリクエストできなかったので、おそらく「ルネッサンス」でもリクエストするのは難しいと思います。だいいちクラシックではないですし。けれども、暗闇の魅力を感じさせてくれた「クラシック」と「ハイパーバラッド」は、少なくとも私の心の中ではまばゆい光を放ち続けるだろう…なんて、ちと感傷的になっていたりします。

テレグラム

テレグラム

  • アーティスト: ビョーク
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1997/02/05
  • メディア: CD

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