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オトナに憧れて [お気に入り]

 当ブログは日記風の記述を避け、コラムのような読み物を多くしたい、と前に書きましたが、マメな更新を確保するため、合間合間に私が好きな、あるいは影響を受けた音楽や人、小説、番組などを「お気に入り」として取り上げていきたいと思っております(好きなものをみなさんに知ってもらいたいのが本音ですが)。このコーナーを見て、「それ私も好き」とか、「じゃ、聴いてみようか」とか、いろいろ思っていただければ幸いです。

 ということで、第1回は音楽。音楽といっても、私は落ち着かない性格を反映し(?)、歌謡曲やロックからクラシック、演歌、ヘビメタ、ジャズ、フレンチポップス、ワールドミュージック…と、あらゆる音楽を聴いてきました。(つまり、ほとんどのジャンルということです)。ただ言えるのは、1970年代前半生まれの私は音楽を聴く上ですごく恵まれていたのではないか、ということ。

 物心ついたころには、沢田研二「勝手にしやがれ」などの阿久悠ソングに囲まれ、80年代は洋楽に接しつつ青春時代を過ごしました。大学進学後はメタリカ、エンヤといった個性的な音楽にはまりました。新しい音楽が生まれにくく、ヒット曲が世の中全体を覆うことのない今を生きる若者より、はるかに感動の経験値は高いかも。

 特に中学時代、初めてCDデッキを購入したときの感動は、忘れられません。私はレコードをリアルタイムで経験したギリギリの世代。レコードプレーヤーに針を落とす瞬間も大好きですが、CDの音質の良さにも感動しました。当時すでに数枚のLPを所有していたものの、すぐにCDデッキを買いました。

 音楽にハマッた背景には、コンポの普及もあります。親に無理を言ってソニーのコンポを買ってもらい、同じくソニーのCDデッキを買い足しました。カセットのダブルデッキ、チューナー、アンプ、レコードプレーヤー、スピーカーの構成で、13万円くらいだったでしょうか。コンポとしてはローエンドの製品でしたが、かなり高かった記憶があります(お父さんお母さん、ありがとう)。夜の暗い部屋でコンポの緑色のイルミネーションが浮かび上がると、うれしくて1人ニヤけていました。ソアラを買ったのは、この経験があったためでもあります(インパネのライトの色が似ているのです)。

 友人が所有していたケンウッドのコンポも、黒を基調にした男らしいデザインがカッコよく、憧れでした(結局、買わないまま大型コンポ時代が終わってしまいましたが)。今は3年前に3万5000円で買ったケンウッドのコンパクトDVDコンポを所有してますが、ほとんど使っておらず、聴くのはもっぱらカーコンポにつないだiPod。隔世の感があります。

 田舎で、TSUTAYAのような気の利いた店もまだなく、CDはもっぱら友人に借りるか、家から3キロほど離れたレコード店にチャリンコで借りに行っていました。テープにも凝り、時には無理してメタルテープも買いました(若い方は知らないですよね)。

 話が逸れましたが、今回紹介するのはフィル・コリンズの「ワン・モア・ナイト」。この曲が入ったアルバム「ノー・ジャケット・リクワイアド」は、私が初めて自分で買いに行ったレコードなのです。

 (フィル・コリンズ「ノー・ジャケット・リクワイアド」)

 中学に入ったばかりのころ、小林克也さんの「ベストヒットUSA」が深夜に始まりました。番組で紹介されたビデオクリップを見て、「こんな世界があったのか!」と感動。それまで9時に寝ていたのに、あっという間に深夜族になりました。宮崎には民放が2局しかなく、「MTV」とともに貴重な洋楽番組でした。

 それまでにもワムやマドンナは知っていましたが、番組を見て洋楽にどっぷり浸るようになりました。当時は「週刊少年ジャンプ」を買うことより、ビルボードのチャートが載っている2週に1度の「FMファン」を買うのが、重要な「儀式」でした。

 「ワン・モア・ナイト」を好きになったのは、曲の良さもさることながら、「マセガキ」が深夜族になってオトナの仲間入りした気になったこと、ビデオクリップがオトナっぽくてカッコよかったことと、無縁ではありません。ビデオクリップは、同じアルバムに収録された「ススーディオ」と対になっています。「ススーディオ」では、場末のライブハウスがフィル・コリンズの歌でだんだん盛り上がり、最後は客が全員ノリノリになる様子を描いています。「ワン・モア・ナイト」は、客が帰りガランとした店で、フィル・コリンズが1人演奏し、店を後にする、という内容。人がいなくなった暗い店の淡い灯り、コートの襟を立てながら店を出る彼の渋い演技は、私をそれまで全く知らなかった世界へと引き込みました。

 オトナになることに憧れた時代。夜が楽しくてしようがなかった時代-。私にとって「ワン・モア・ナイト」は、青春を象徴する曲なのです。

 幸い、フィル・コリンズは80年代を代表する歌手になったので、ビデオが発売され、すぐ手に入れました。今も時々見ます。ただ、DVDはアマゾンでは検索できず、販売されているのか分かりません。ぜひ見ていただきたいのですが。

フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド)

フィル・コリンズ 3(ノー・ジャケット・リクワイアド)

  • アーティスト: フィル・コリンズ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: CD

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