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再開 [その他]

 ひと月近く経ったんですね。 

 通信の混雑が緩和されたらなるだけ早くブログアップして、亡くなられた方々にお悔やみの言葉をお伝えしたいと思っていたのですが、ずるずるとここまできてしまいました。

 あまりに理不尽でむごい自然の仕打ちに呆然とし、なかなか書く気が起こらなかったのが本音です。多少なりとも仕事に影響があり、少しでも肉体的・精神的なリソースを仕事に振り向けたかったという事情もありますし、何より混乱が続く中でアップしても邪魔になるだけとの思いが優先しておりました。

 遅ればせながら、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。また、大切な人を亡くされた方、不自由な生活を余儀なくされていらっしゃる方、経済的損失をこうむった方には、ぜひとも心を強く持ち、悲しみや苦しみを克服していただきたいと陰ながら願っております。

 残念ながら未曾有の被害をもたらした今回の震災ですが、一方で私にとって今回ほど日本人であることを強く意識し、それを誇りに感じた出来事はありません。

 中国人研修生を安全に非難させた後、行方不明になった水産加工会社の経営者。自宅に取り残された妻を救い出すため、スキューバダイビングの装備を身につけ、ガレキだらけの暗闇を泳いで駆けつけた夫。津波に呑まれる直前まで防災無線で冷静に避難を呼びかけ続けた南三陸町の女性職員。そして苦しい境遇に置かれながらも自らを律し、団結する被災者たち…。

 今はこうした人々のいる国に生きてきて良かったとつくづく感じています。日本人が度重なる天災を教訓としながら美徳として身に着けた考え方や生き方は、けして間違っていなかったのだと思います。

 ただ、原発の事故はいまだ収束していませんし、これから予想もしなかったさまざまな問題が噴出することになるでしょう。困難に直面し、私たちの真価が問われる場面は多々あるはずです。

 そうした困難を乗り越えるためにも、あえてこのタイミングで残念な出来事に触れ、問題提起したいと思います。

 今回の震災における日本人の冷静な振る舞いは、海外メディアにも大いに賞賛されているところですが、残念な出来事が全くないわけではありません。

 被災地での盗難、義捐金詐欺、生活必需品の買占め、「天罰」発言。特に盗難や詐欺は悪魔の所業としかいいようがないほど卑劣で許しがたく、ニュースを見るたびに怒りがこみ上げてきます。

 そうした残念な出来事の中で、ひとつだけ、当ブログで触れておきたいことがあります。東京電力や政府に向けて根拠に乏しい批判を浴びせることについてです。

 ネットを見ていると、中には無責任で感情任せとしかいいようがない、脅迫的な言辞を弄する人さえいます。「2ちゃんねる」は見ない主義なので詳しくは分かりませんが、一般のブログでもそうした書き込みが散見されます。

 批判は大いに結構。でも少なくとも現時点では、誰が悪いと断定するに足るだけの情報はいまだに出揃ってはいないのではないでしょうか。やり場のない怒りを何とかしたい気持ちは理解できますが、それと彼らにぶつけることとは別です。

 福島第一原発の現場では、一日でも早く事故を収束させようと、多くの作業員が気力と体力の限界に挑戦し、内外から賞賛されています。私も彼らの命がけの行動に感服している一人です。

 けれども戦っているのは何も彼らだけではなく、経営者を含めた現場以外の東電社員や政府関係者も同様ではないでしょうか。そこで線引きして、単純に善玉と悪玉とに色分けすることにも疑問を感じます。

 東電や政府が悪くないと言い切るつもりはありません。詳しい検証が行われ、責任の所在が明らかになるのはあくまでこれからであって、誰が悪いと決めつけるのは早計だと言いたいのです。責任の所在が曖昧だったかどうかを含めて。

 ましてや、脅迫的な言葉を書き連ねる行為には全く同意できません。

 私自身はわずかな義捐金を提供することぐらいしかできない、ちっぽけな存在にすぎず、どれほど復興の役に立てるのかは分かりません。けれども自分なりに現実を直視し、被災者や周囲の人たちと艱難辛苦を分かち合っていきたいと思っています。

 そして、それが正しいか否かはさておき、何が正しく、何が間違っているかを考える姿勢は持ち続けていたいと思っています。結論が違っていてもかまいませんので、私と同様、少しでも考えていただければ幸いです。

 今回ブログを再開するにあたっても、やめるという選択肢を含め、どうすべきかいろいろ考えました。その結果として、次回以降は通常営業に戻るべきとの結論に至りました。節電など一部の例外を除き、ふだん通りに行動することが最も復興の手助けになる、と。

  もともと興味を持っていたテーマなので、人の死や地震について取り上げ、不快に思われることがあるかもしれません。が、基本的にはいつものように、興味本位もしくは軽いノリでいくつもりです。

 そうした当方の考えやスタンスをご理解いただいた上で、今後とも当ブログにお付き合いいただければ幸いです。


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