青春 [お気に入り]
久々の乗り味を噛みしめつつ、夕暮れ時の甲州街道をソアラで走っていた時、ふと目に飛び込んできたバッティングセンターの看板。気がついたらバットを握っていました。
15年ぶりぐらいでしょうか。学生時代は「貢いだ」という言葉がふさわしいほど足しげく通い、神主打法を完ぺきに身に付けた懐かしい場所です。さて、いっちょやったろかい。
うっ…。当たらないのはまだ眼鏡を作っていないからしょうがないとしても、2、3球で息が上がるとは。かたわらには自分より早い球速のマシンで次々と快音を響かせるチビっ子たち。恥ずかしくてすぐにやめてしまいました。
バッティングセンターに立ち寄ったのは、このところ聴き倒している、ある曲の影響かもしれません。川崎真理子さんの「失恋はつかれる」。15年前くらい前の、失恋を歌った曲で、アイドルソングっぽくて、大ヒットしたともいえませんが、メロディー、歌詞、歌声のすべてが素晴らしい隠れた名曲です。
ちょうど私がバッティングセンターに通い詰めていた93年に発売されました。どうやって知ったのかは覚えていませんが、サビのメロディーと歌詞がとても印象的で、根強いファンがいるのか、忘れかけたころになると有線放送で流れるため、ずっと心に引っかかっていました。
暮れに神田駅前を歩いていたところ、思いがけず風俗店紹介所から聞こえてきて(笑、あまりの懐かしさと曲の良さにあらためて感動。CDを購入し、毎日のように聴いています。
さて、この曲の素晴らしさを貧困なボキャブラリーでどう伝えようー。そう思っていたら、なんとYOUTUBEにアップされてました。うまくアップできないので、曲名で検索してみてください。
歌詞はこんな感じ。
♪あなたと共同で使っていた カメラをバラバラにこわした
失恋したんだと 自覚させるために
女の子もいさぎよくなくちゃ わたしの悪いところ数えた
こんな時だからこそ つらいけど目を向けてみた
ダメになったの あなたのせいにしたいけど
わたしのためにちゃんと受けとめたい恋の終わりもある
カキーン カキーン バッティングセンターでガッツいれて
こんなことぐらいで何よっていえる根性つけよう
財布のお金を全部 銀貨に変えたら
200回分ぐらいの空振り 失恋はつかれる
♪フェンスの中で考えている 幸せだと感じたことを
それは短いけど 思い出すといくつもあった
歩く時はいつも隣にいるのに
手をつながなきゃ不安になるような恋を初めてした
カキーン カキーン バッティングセンターで誓いたてる
今度はうなずくだけじゃなくて かみついてみよう
何度もケンカをするかもしれないけれど
今夜程クタクタにならない 失恋はつかれる
さよならしてはじめてわかることがあった
幸せを見逃さないことが 愛する力
カキーン カキーン バッティングセンターでガッツいれて
200回分ぐらいの空振り 失恋はつかれる 本当失恋はつかれる
一見、おとなしそうな女の子の口から、「バラバラにこわした」とか、「かみついてみよう」といった、何気に過激な言葉が飛び出すところに、かえってかわいらしさを感じます。それが同時に、失恋のせつなさを効果的に引き立てているようにも思います。
残念ながら私の場合、こんな魅力的な子を振ることも、振られることもなく、青春らしい経験をせずじまいでした。けれど、授業そっちのけでバッティングセンターに通ったり、こういう素晴らしい曲とめぐり合えただけでも、立派な青春といえるのかもしれません。
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